保坂和志『書きあぐねている人のための小説入門』

音楽であれ、小説であれ、表現というものは、たえず何か逸脱するものを孕んでいないと、やがて滅んでいく。表現とは本質的にそういうものだ。一九二〇年代から六〇年代にかけて、ジャズに活気があったのは、ジャズがたえず逸脱し続けていたからで、だからその時代に録音されたレコードは、そこに逸脱する精神があるために、いま聴いてもジャズに聴こえる。

いつもブラケットだけつけるようにしておけば、いつかキーワード登録しようという気になるかもしれない。誰か登録してくれるかもしれないしな。