さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

帰り道で読んだ。あいかわらず英国ギャグは肌にあわなくて、体に合わず首まわりがちくちくするウールのセーターを着ているような気持ちで(ほらみろ、比喩がうつった)あえぎながら読んでいたんだけど、63ページから先は楽しく読めた。

件の63ページ。とりたててどうということはないです。

その差し込み蓋をあけてみた。なかにはきれいな灰色の薄紙が敷いてあり、そのうえにガラスの球が収まっていた。慎重に取り出した。完全な球ではなく、そこに口があいていた。というより、ひっくり返してみて気がついたのだが、てっぺんに口があいていて厚く縁取りがされていた。これは鉢だ。金魚鉢だ。

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)

さようなら、いままで魚をありがとう (河出文庫)