着物ウイークエンド

群ようこ「きもの365日」を読んでいてまねしたくなったので、それふうのの着物日記を付けてみた。

きもの365日 (集英社文庫)

きもの365日 (集英社文庫)

六月二十四日
 本を何冊か持って行く用があり、持っている巾着には入らないようなので、風呂敷を買いに行く。柄をいろいろと見せてもらったが、小さめのものに気に入るものがなく、三巾のものを二枚買った。デパートで買い物自体そうめったにしないのだけど、店員さんが親切でいろいろと気を回してくれるのがありがたいようでも、気詰まりなようでもある。和服コーナーは浴衣一色。

 先日古着屋で買ってきた黒の縞柄の着物は身丈がやや短いので、長襦袢が見えないように裾を折って縫っておかないといけない。縫い物なんて小学校の家庭科以来だ。ちょうどタナダさんに借りていたこうの史代さんさん録」にさんさんがボタンを付ける回があり、それを参考にしばらく格闘。糸留めをどこにどうつくったらいいのかよくわからないし(習った気もするけどとうに忘れた)、縫うのもうまくいかないけど、どうせ隠れる部分だからと適当にやる。

六月二十五日
 天気が思わしくない。でもなんとか持つのかと思っていたところ、コンビニに買い物に行ったら少し降ってきていた。あわてて天気予報サイトで雲の動きを見ると、小さな雨雲が通っただけらしくこれから降るわけではないようなので、着物で出掛けることになる。着付けはそれなりに慣れてきたので、10分もあれば帯を結べるようになった。

 着終わったところで椅子に腰掛けようとすると、尻のほうからびっという嫌な音が。手を回して見ると、切れ目から長襦袢が触れてしまう。これはいけない。あわてて着物を脱いで、破れた尻の縫い目を繕う。あせったこともありかなりでたらめな縫い方をしたのだが、案外大丈夫なようで再び破れることはなかった。一安心。驚いたのとやや時間があったので、着物を買った新宿のリサイクル着物屋に聞きに言ってみると、やはり破れやすい部分なのと古着で糸が弱っているので、防ぐ方法というのは特にないという。着る前にある程度確かめて、補強しておくしかないそうだ。

待ち合わせ場所で他の着物衆と落ち会う。お二人は(ここで群ようこなら着物の柄の解説が入るんだけど、わからないので割愛)。こちらはどんな感じか聞いてみると「違和感がなすぎ」「タイムスリップしてきたみたい」「落ち着いて見える」とのこと。つまり新鮮でも若々しくもないということか。とほほ。

弁当を買って寄席に。寄席はけっこう混み合っていて、最初は長いすに腰掛けていたのだが、仲入り後に畳敷きの席が空いたのでそちらに移動した。畳と和服というのはやはり合うものなのか、とても楽で気持ちがよい。落語もおもしろく拝見。

履いていった下駄がまだ慣れないせいか、足指の付け根が擦りむけてしまった。それほど痛くなかったが、バンドエイドをもらって貼った。