Mac OS進化の軌跡―パーソナルコンピュータを創ったOSの実像 (Mac power books)

だいたい読んだ。ほぼタイトルどおりの内容。Mac雑誌で連載されたものなので、基本的にMacの自慢か心配しかしてないけど、僕はMacOSのことは(OS9以降しか)ほとんど知らなかったのでそれなりに興味深く読めた。たとえばあのセレクタに出てくるImageWriterとかLaserWriterって何? みたいな素朴な疑問は解消できた。

あとhuman interface guidlinesについてはMacとWinとでガイドラインを比較して詳しく解説してあるのでその辺はおもしろかった。初期の「Human Interface Guidlines: The Apple Desktop Interface」の第1章には「Philosophy(哲学)」と題された章があったそうだけど、インターフェイスの根本には哲学がなければならないというのが(初期の)アップルの思想で、本にも引用されている「Inside Macintosh」の文章が感動的なので、ここにも孫引き。

Macintoshは、それまではコンピュータを恐れていたり、信用していなかった人々、つまりプログラマーではない一般の人々に受け入れられるように設計されている。そのためには、Macintoshのアプリケーションは、使うのも学ぶのも簡単でなければならない。人々がアプリケーションに親しみを感じるためには、新しく学ぶのではなく、すでに身についている技能によって使いこなせる必要がある。ユーザーがコンピュータをコントロールしているという感覚を持つべきなのであって、その逆ではない。

パーソナルコンピュータの理念が平易な言葉で語られた名文だと思う。

Inside Macintosh

Inside Macintosh

Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface(日本語版)

Human Interface Guidelines:The Apple Desktop Interface(日本語版)