新宿

テアトル新宿のレイトショーで「ヨコハマメリー」を見てきました。

よかったですよ。とても。しめっぽいところがないのがとくによかった。とてもデリケートな題材をあつかってるのにね。

95年ころまで白塗りで横浜伊勢佐木町を闊歩していたという「横浜メリー」なる伝説的な人物についてのドキュメンタリー映画になっています。当時のメリーさんと親交のあった人物や、終戦のころからの伊勢佐木町の住人たちが、メリーさんや、メリーさんを通して思い馳せる、かつての軍人と娼婦ににぎわう伊勢佐木町についてうっとりと語る、基本的にはそういう映画なのですが、ところがじつはメリーさんは、その伝説的な気品をそのままに、生きていた! のでした。これがすごい。

映画の最初のほうのインタビューのなかで「あの人は気位(きぐらい)が高い方だったから」という言葉があって、その響きが耳に残って気位ってすごい言葉だなあと思っていたんですけど、最後に出てきたメリーさんには、ほんとにその「気位が高い」というのを感じたなあ。ひとのありさまというのを、かざりけなしに見せられた気分です。